097 重要な分析軸
「直接セッション」で真のメディアを理解する
2017年6月ごろ、新しいディメンションとして「直接セッション」が登場しました。ディメンションの項目は「Yes」または「No」のみです。このディメンションの価値を理解するには、まず、ワザ096を精読してください。なぜなら、直接セッションは「Googleアナリティクスの参照元のくせ」を修正するために登場したディメンションだからです。
以下の例は、ディメンションとして「メディア」と「直接セッション」を並べたカスタムレポートです。referralに注目すると、直接セッションがNo(3行目)とYes(6行目)で分かれていますが、直接セッションがYesの場合、「メディアはreferralと記録されているが、本当はダイレクトトラフィックだった」ことを意味しています。
従来なら参照トラフィックでコンバージョンしたのか、参照元からの訪問のあとにダイレクトトラフィックでコンバージョンしたのか、見分けがつきませんでした。それが直接セッションをセカンダリディメンションに加えることで、初めて明らかになります。画期的なことです。
ポイント
- 直接セッションがYesだからといって、そのメディアがコンバージョンに貢献していないと判断するのは早計です。例えば、メディアがcpc、直接セッションがYesの場合、それはダイレクトトラフィックから発生したコンバージョンですが、その前のリスティング広告からの訪問があったからこそのダイレクトトラフィック、と考えることもできるからです。
直接セッションは「真のメディア」を明らかにします。それはつまり、「真のカスタマージャーニー」を把握することにもつながるでしょう。
本コンテンツは、インプレスの書籍『できる逆引き Googleアナリティクス 増補改訂2版 Web解析の現場で使える実践ワザ 260』を、著者の許諾のもとに無料公開したものです。記事一覧(目次)や「まえがき」は以下のリンクからご覧ください。
- 本書発行時点(2017年11月)の情報に基づいています。
- 本書は2色刷のため、画面はグレースケールとなります。