105 ユーザーの分析
セッションカウント別にユーザーの振る舞いの違いを知る
[リピートの回数や間隔]レポートには、1つのレポートの中に[セッション数]と[セッションの間隔(日数)]という2つの指標グループがあります。
ユーザー > 行動 > リピートの回数や間隔
[セッション数]指標グループにおける「セッション数」とは、ユーザーのセッションカウント(既訪問回数)を表します。このレポートではセッション数をディメンションとして、セッションとページビュー数が指標として表示されます。例えば、レポート期間を1日に設定し、以下のような値が表示された場合の解釈を考えてみましょう。
- セッション数:1 セッション:10
- セッション数:2 セッション:8
- セッション数:3 セッション:1
その日が初回訪問だったセッションが10セッション、2回目の訪問にあたるセッションが8セッション、3回目の訪問にあたるセッションが1セッション、それぞれあったということです。つまり、このレポートではサイトに慣れていないユーザーの訪問が多いのか、常連と呼べるリピーターの訪問が多いのかがわかります。
一方、[セッションの間隔(日数)]指標グループに切り替えると、ユーザーごとに、前回の訪問から経過した日数がディメンションとなります。新規ユーザーは過去のセッションがないため、「セッションの間隔(日数)」は0となり、ほとんどのサイトでは、このセッションがもっとも多い状態になるはずです。1つ例を挙げてみましょう。
- ユーザーA:その日が初回訪問。その日の訪問は1回だけ
- ユーザーB:その日の午前、10日ぶりにサイトを訪問。その日の午後にも再訪
この例では合計3セッションが発生しており、レポートは以下のように表示されます。
- セッションの間隔:0 セッション:2
- セッションの間隔:10 セッション:1
いずれも標準の状態ではサイト改善につなげる施策を導きにくいですが、「セッション数」や「セッションの間隔(日数)」をディメンションとして、コンバージョン率を指標としたカスタムレポートを作成すると、リスティング広告のリマーケティングを最適化する知見を得られます。例えば、以下のようなカスタムレポートです。
このとき、セッション数が2以降のほうがコンバージョン率が高いのであれば、初回訪問者へのリマーケティング施策が有効です。また、セッションの間隔が7まではコンバージョン率が高いのなら、リマーケティングでユーザーを追跡する期間は7日間が妥当であると判断できます。
ポイント
- このレポートでリピーターにおけるセッションの間隔を知りたい場合は、ワザ098を参考に[リピーター]のセグメントを適用します。リピーターだけに絞り込んだうえで、セッションの間隔が0となる訪問は、同日の2回目以降のセッションを表しています。
[リピートの回数や間隔]レポートの各ディメンションは、カスタムレポートにしてコンバージョン率を確認するとリマーケティングの知見を得られます。
本コンテンツは、インプレスの書籍『できる逆引き Googleアナリティクス 増補改訂2版 Web解析の現場で使える実践ワザ 260』を、著者の許諾のもとに無料公開したものです。記事一覧(目次)や「まえがき」は以下のリンクからご覧ください。
- 本書発行時点(2017年11月)の情報に基づいています。
- 本書は2色刷のため、画面はグレースケールとなります。