158 計算指標の作成
既存の指標の四則演算で新しい指標を作成する
Googleアナリティクスにおける既存の指標同士を四則演算で計算し、新しい指標を作成する機能を「計算指標」と呼びます。
例えば「ランディング獲得率」とでも表現できる新しい指標を考えてみましょう。あるページが検索エンジンを含む外部サイトからのトラフィック獲得に成功している場合、「ページが受けた訪問総数のうち、ランディングページとなった割合」が高くなるはずです。これは「閲覧開始数÷ページ別訪問数」を割合(%)として求めることで、以下のように指標化できます。
管理 > 計算指標
計算指標の設定項目
項目名 | 内容 |
---|---|
名前 | 計算指標の名前。ビューに対する閲覧権限のある全ユーザーの目に触れるため、それを前提としたわかりやすいものにする。 |
表示名 | 計算指標をAPI経由で利用するときのの識別名。ただし、本書執筆時点ではAPI経由での利用はできない。 |
フォーマットタイプ | 計算指標の表示形式。次の5つの選択肢がある。 浮動小数点、整数、通貨(小数)、時間、割合(%) |
数式 | 計算指標を表す数式。利用したい指標の名前を入力したり、スペースを入力したりすると候補が表示される。指標は「{{指標名}}」のように表示され、加算(+)、減算(-)、除算(/)、乗算(*)の記号や定数と組み合わせて数式を入力する。 |
この計算指標を使って作成したのが、以下の画面にあるカスタムレポートです。ページごとにランディング獲得率をはじめとした指標が並び、ランディング獲得率が高ければ「外部からのランディングで訪問を獲得しているページ、低ければ「サイト内回遊で訪問を獲得しているページ」と理解できます。
計算指標の利用方法としては、ほかにも以下が考えられるでしょう。工夫次第でサイトのパフォーマンスをさまざまな角度から分析できるようになります。
- ユーザーあたりサイト利用時間=セッション時間÷ユーザー
- カート投入率=カート投入数÷商品詳細ページ到達数
- 商品詳細ページ到達率=商品詳細ページ到達数÷セッション
- 概算粗利=収益×0.3(平均粗利率が30%の場合)
ポイント
- 計算指標はビュー単位で作成できます。1つのビューあたり5個が上限です。
- 計算指標は作成後、過去のデータに対してもすぐに適用され、レポートに反映されます。
- 「カート投入率」の例にある「カート投入数」や「商品詳細ページ到達数」は、標準の指標としては存在しません。それぞれを目標設定することで(ワザ037を参照)、その目標の完了数を計算指標の数式で利用できるようになります。
GoogleアナリティクスのデータをエクスポートしてExcelで計算している場合、その手間は計算指標で軽減できるかもしれません。
本コンテンツは、インプレスの書籍『できる逆引き Googleアナリティクス 増補改訂2版 Web解析の現場で使える実践ワザ 260』を、著者の許諾のもとに無料公開したものです。記事一覧(目次)や「まえがき」は以下のリンクからご覧ください。
- 本書発行時点(2017年11月)の情報に基づいています。
- 本書は2色刷のため、画面はグレースケールとなります。