229 データの深掘り
ページ内のリンクのクリック数を詳細に把握する
ワザ152で解説したChromeのアドオン「Page Analytics」では、同一のページに遷移する複数のリンクについて、同じクリック数やクリック率が表示されてしまいます。この問題を解消するのが「拡張リンクのアトリビューション」と呼ばれる機能です。まず、以下のようにトラッキングコードに1行を追加します。
5:requireコマンド。「linkid」(拡張リンクのアトリビューション)を呼び出す
続いて、Googleアナリティクスのプロパティ設定を変更します。
管理 > プロパティ設定
これで拡張リンクのアトリビューションが有効になりますが、ページ内の各リンクのHTMLソースに個別のid属性を割り当てる必要があります。id属性はリンクを表す<a>タグ、もしくは<a>タグから3階層以内の親要素となる<div>タグや<span>タグに付与します。例えば、以下のような形です。何階層までさかのぼるかは変更することもできます。設定の完了後、クリック数やクリック率はワザ152で解説したPage Analyticsで確認しましょう。
3:は<a>タグ内、7,8:は<a>タグより1階層上の<span>タグ内、14:は<a>タグより2階層上の<div>タグ内に個別のid属性を付与している
ポイント
- 前述のrequireコマンドは、リンク元のページだけでなく、リンク先のページにも埋め込まれている必要があります。そのため、拡張リンクのアトリビューションを実装するときは、現実的には全ページで実装することになります。
- GoogleアナリティクスのトラッキングコードをGoogleタグマネージャ経由で挿入している場合は、基本ページビュータグを編集して拡張リンクのアトリビューションをオンにします。具体的には、[このタグでオーバーライド設定を有効にする]にチェックマークを付け、[詳細設定]の[高度な設定]にある[拡張リンクのアトリビューションを有効化]で[真]を選択します。
- 拡張リンクのアトリビューションが成功している場合は、リンク先のトラッキングビーコンの中に「linkid」というパラメータが出現し、リンク元のページのid属性の内容が格納されて送信されます。
別のツールを導入するコストを抑えつつ、ページ内のクリックを詳細に知りたい場合は、拡張リンクのアトリビューションが有力な選択肢になります。
本コンテンツは、インプレスの書籍『できる逆引き Googleアナリティクス 増補改訂2版 Web解析の現場で使える実践ワザ 260』を、著者の許諾のもとに無料公開したものです。記事一覧(目次)や「まえがき」は以下のリンクからご覧ください。
- 本書発行時点(2017年11月)の情報に基づいています。
- 本書は2色刷のため、画面はグレースケールとなります。