237 外部データとの連携
都道府県別の人口を母数とした地域ごとの優劣を見つける
標準レポートの[地域]レポートを利用して都道府県別のセッション数を確認すると、ほぼすべてのサイトで[Tokyo](東京都)がもっとも多くなります。東京都の人口は全都道府県の中で群を抜いて多いので当然の結果であり、必ずしも、東京都のユーザーに自社サイトが広く認知され、商品が購入されている状況を表しているわけではありません。
都道府県別にサイトの利用率を把握するには、都道府県別の人口を母数として、サイトを訪問したユーザー数を比較する方法があります。具体的には、総務省統計局のオープンデータなどから人口のデータをダウンロードし、GoogleアナリティクスからエクスポートしたデータとExcelで紐付けます。Googleアナリティクスでは都道府県別のユーザー数に加え、セッション数、直帰率、ページビュー数、コンバージョン数なども指標として加えたカスタムレポートを作成すれば、都道府県別のトラフィックの伸びしろや、コンバージョン率の高い都道府県を発見できるかもしれません。
筆者が関わった、あるアパレルのクライアントの例では、大都市を抱える東京、大阪、名古屋、福岡などの都道府県ではサイト利用率が高く、コンバージョン率が低い傾向がありました。一方、郡部が多い地方ではサイト利用率が低く、コンバージョン率は高い傾向がはっきり出ています。そのような場合、リスティング広告の地域ターゲティングを利用し、郡部を多く持つ県に対して重点的に広告を配信するといった施策が考えられます。
ポイント
- Tableau(ワザ244を参照)などのBIツールでは、地図上に色の濃淡で各指標を可視化することも可能です。より直感的に、都道府県別のネット人口を母数としたサイト利用率などを把握できます。
東京都の指標は、東京都の人口に基づいて評価すべきです。地域別のユーザー獲得状況を可視化し、強さや伸びしろを発見しましょう。
本コンテンツは、インプレスの書籍『できる逆引き Googleアナリティクス 増補改訂2版 Web解析の現場で使える実践ワザ 260』を、著者の許諾のもとに無料公開したものです。記事一覧(目次)や「まえがき」は以下のリンクからご覧ください。
- 本書発行時点(2017年11月)の情報に基づいています。
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