251 レポートの疑問
リスティング広告のクリック数と訪問数が違う原因を知る
AdWords(現:Google広告)などの管理画面で見るリスティング広告のクリック数と、Googleアナリティクスで見るリスティング広告からの訪問数(セッション数)は一致するはず、と考えるWeb担当者は多いと思います。しかし、現実には完全に一致することはまれであり、多くのケースである程度の差異が生じます。違いが出る具体的なケースを見てみましょう。
同じ広告が複数回クリックされた
クリック数は回数分加算されますが、訪問数は1とカウントされます。
広告をクリックして訪問したユーザーが、次にダイレクトトラフィックで訪問した
クリック数は1ですが、リスティング広告からの訪問数は2とカウントされます。ダイレクトトラフィックは以前の参照元やメディアを上書きしない仕様によるものです。
リンク先URLのページにトラッキングコードが挿入されていない
クリック数は1ですが、訪問数は0とカウントされます。
リンク先URLのページにクライアントサイドのリダイレクトが設定されている
クリック数は1ですが、リスティング広告からの訪問数は0となり、ノーリファラーからの訪問数が1とカウントされる場合があります。リダイレクトの設定により、参照元の情報が抜け落ちる可能性があるためです。
不正クリックによって減算された
リスティング広告のサービス側で不正なクリックと見なされた場合、その分がクリック数から減算されます。そのような場合でも、Googleアナリティクス側では訪問数としてカウントされ減算されないため、差異が生じます。
AdWordsとGoogleアナリティクスをリンクしておらず、カスタムキャンペーンも未設定
AdWordsのトラフィックがGoogleからの自然検索に分類され、AdWordsからのセッションとは認識されません。
AdWordsのアカウントで「自動タグ」がオフになっている
AdWordsとGoogleアナリティクスをリンクしていても、「自動タグ」がオフの場合、AdWordsからのトラフィックだと識別できず、セッションを記録しません。
ユーザーのブラウザーがGoogleアナリティクスのトラッキングを許可していない
Cookieを受け付けない設定にしていたり、オプトアウトアドオン(ワザ077を参照)を利用している場合、そのユーザーのAdWordsからのセッションは記録されません。
リスティング広告側のクリック数と、Googleアナリティクスの訪問数は別の指標と考えるのが前提です。差異発生の原因も理解しておきましょう。
本コンテンツは、インプレスの書籍『できる逆引き Googleアナリティクス 増補改訂2版 Web解析の現場で使える実践ワザ 260』を、著者の許諾のもとに無料公開したものです。記事一覧(目次)や「まえがき」は以下のリンクからご覧ください。
- 本書発行時点(2017年11月)の情報に基づいています。
- 本書は2色刷のため、画面はグレースケールとなります。