197 デバイスごとの施策
スマートフォンのコンバージョン率は慎重に分析する
筆者のコンサルティング経験に照らすと、スマートフォンの直帰率はパソコンの直帰率に比べて高いケースが多いようです。ワザ112で解説した[ベンチマーク]→[デバイス]レポートでも、その傾向が見て取れます。
以下の画面は、2017年10月のある期間において[業種]をショッピング、[国/地域]を日本のすべての地域、[サイズ(1日のセッション数)]を1,000~4,999に設定したところですが、desktopの直帰率が45.98%なのに対し、mobileは50.18%と、mobileのほうが4.20ポイント高くなっています。
スマートフォンユーザーは移動中にサイトを訪問することが多く、時間的な制約があります。スマートフォンからの直帰率がパソコンに比べて数ポイント高いのは妥当な水準と考えられ、その結果、コンバージョン率にも差があると考えるのも自然です。
また、実店舗へ行くために住所や地図、営業時間だけを知りたかった、というニーズも一定数あります。この傾向が想定されるなら、実店舗の紹介ページにランディングしたセッションを除外するカスタムセグメントを作成し、このセグメントを適用したときの直帰率やコンバージョン率をスマートフォンサイトの実力として受け止めるといいでしょう(ワザ110を参照)。
スマートフォンの直帰率が数ポイント高いのは許容範囲です。実店舗の案内にランディングしたセッションを除外し、真の実力を探る方法もあります。
本コンテンツは、インプレスの書籍『できる逆引き Googleアナリティクス 増補改訂2版 Web解析の現場で使える実践ワザ 260』を、著者の許諾のもとに無料公開したものです。記事一覧(目次)や「まえがき」は以下のリンクからご覧ください。
- 本書発行時点(2017年11月)の情報に基づいています。
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